マンションやアパートの電力自由化のメリット・デメリットとは?

電力自由化が始まりましたが、マンションやアパートにお住まいの方は、どのような電力会社に変更すれば良いのでしょうか。

今まで利用していた電力会社を変更するというのは、非常に勇気のいることです。

人によっては、大きな手間がかかるのではないと思い手続きを放置しているという人もいるでしょう。

今回は、アパートやマンションに住んでいる方に、好きな電力会社を変更することのメリット・デメリットを具体的に説明していきたいと思います。

すでに、マンションに住んでいる人やこれからマンションを探そうとしている人やマンションオーナーが参考になる情報をお伝えしてゆきます。

1.アパート・マンションにお住いの方が電力会社を乗り換えるデメリット

まずは、アパート・マンションにお住まいの方が、電力会社を変更することで、どのようなデメリットがあるのかについて具体的に説明します。

1-1.過去の電気使用量がわからなくなる

もし、アパート・マンションに住んでいるけれど、新しい電力会社と契約して電気の使用量を抑えていきたいと考えているのであれば、過去の電気の使用量に関するデータは、ごみ箱に捨てずに保管するようにしてください。

なぜならば、電気量のデータを捨ててしまうと、「四国電力」から「auでんき」と呼ばれる電力会社に変更する場合、最終的に消費した電力料金が安くなったのか比較することができないのです。

そのため、1月から12月までの月単位の電力明細に関しては、すべて残しておくようにしましょう。

1-2.途中契約による違約金

あなたの契約する電力会社によりますので、「違約金の条件」というのは、契約前に必ず確認しておいてください。

例えば、5年以内に新しい電力会社に再び変更するために解約すると、1万円などの違約金の請求をされる可能性があります。

1-3.電気をあまり使用しない人へのプランはほとんどなし

電力会社を変更した際に、消費電力が抑えられ、電気代が安くなるのは、もともとたくさんの電気を利用していた人です。

具体的に説明すれば、たくさんの家族がいるので消費電力も大きくなるという家庭は、電力自由化による恩恵を受けることができます。

しかし、1人暮らしのような、あまり電力を利用しない家では、お勧めできるプランがあまりないというのが現実です。

そのため、現在の料金プランは、家族向けのサービスが多いですので、1人暮らしなのであれば、すぐに電力会社を変更する必要はないでしょう。

もし、1人暮らしの人に向けた電力サービスが提供されたのであれば、変更を検討してみてはどうでしょうか。

1-4.質の悪い事業者が参入してくる恐れがある

現在、電力自由化が行われるようになり、自由に電力会社を選べるようになりましたが、それと同時に、「電力自由化詐欺」と呼ばれる詐欺行為も横行しています。

どのような手法なのかというと、詐欺業者が「あなたの自宅にソーラーパネルを設置すれば、年間で200万円以上の利益を出すことができます。電気を売電すれば、これぐらいは簡単に稼げますよ。」というような言葉を投げかけて、高額なソーラーパネルの設置を勧めてきます

当然ながら、それだけ売電できるわけがなく、詐欺にあってしまう人がいるのです。

変な儲け話や急なセールスやスマートメーターと呼ばれる機械の設置料金を請求してくるような業者には、騙されないように絶対に気をつけてください。

1-5.海外の事例をみれば電力が下がるとは断定できない

電力自由化を行えば、どのような国でも電気料金を抑えることができて、人々の暮らしが少しでも楽になるのでしょうか?

電力自由化というのは、日本が最初に始めたのではありません。

実は、電力自由化は、日本以外の世界の国々では、すでに実施されていることです。

例えば、イギリスでは電力自由化をすでに行っています。

しかし、イギリスで電力自由化を行ったのですが、発電した電力を卸売市場に集めて販売する方法を採用した結果、企業が利益を追求してしまい、電気代が上がる結果となってしまいました。

以後、イギリスでは、電力自由化によって電気の価格が操作され、安い価格で契約したにもかかわらず、あとになって値上げするという方法が横行しました。

その結果、電力自由化によって大きな権力のある企業が、市場を独占してしまう結果となりました。

この状況から見れば分かるように、電力自由化が必ずしも人々の生活を楽にするということはないのです。

2.アパート・マンションにお住いの方が電力会社を乗り換えるメリット

上記で、アパート・マンションに住んでいる方に向けて、電力自由化におけるデメリットをご紹介しましたが、デメリットだけではありません。

当然、メリットもありますのでご紹介します。

2-1.選択肢が広がる

電力自由化によって電力会社を変更すれば、自分の好きな料金プランを選択することができます。

例えば、朝の時間帯にしか電気を利用しないという人は、朝の時間帯に最も電力料金が安くなる電力会社に変更すれば良いです。

そうすれば、今までよりも確実に、電気の利用料金を抑えることができます。

このように、電力自由化は、自分の生活の選択肢を広げてくれるのです。

2-2.競争によって料金が安くなる

2016年の3月の時点では、一般の過程向けに電力の小売りが自由化されていませんでした。

それまで電力会社というのは、地元の電力会社を使うのが一般的でした。

例えば、四国に住んでいる人は、四国電力以外を選ぶことができなかったのです。

そのため市場が独占された状態になり、電力料金を下げるというようなサービスが行われることは、基本的にありませんでした。

しかし、電力自由化により様々な会社が電力サービスを提示するようになり、今までよりも電力料金が安くなり、様々な会社が魅力的な特典をつけるようになりました。

3.一括受電と低圧契約の違い

あなたは、「一括受電」「低圧契約」と呼ばれる言葉の違いを、具体的に知っているでしょうか?

アパート・マンションに住んでいるのであれば、しっかりと学んでいただきたい言葉です。

まず、「一括受電」とは、正式には高圧一括受電と呼ばれており、マンションが特定の電力会社と契約し、大量の電気をまとめて購入する代わりに一般家庭よりも電力を安く供給してもらうことで、電気代を安く抑えることができる方法となっています。

もし、あなたが、マンションオーナーであれば、ロビーの電気代を気にしますよね?

高圧一括受電から供給してもらっている電力を利用していれば、非常に電気代を安く抑えることができます。

また、そのマンションに住む住居者も電気代が安くなりますので、マンションの入居者とオーナー双方にメリットがあります。

一方の低圧契約は、従来型の電力会社と同じような契約方法です。

上記のようにマンションが特定の電力会社から大量の電力を供給してもらうのではなくて、各家庭が個別に電力会社と契約することになります。

つまり、低圧契約の家庭は、自由に電力会社を選択できるメリットがあります。

4.マンションでの電力自由化で気になること

マンションで電力自由化により電力会社を変更する場合、一般的な家庭が電力会社を変更するよりも気になることが多いのではないでしょうか。

マンションで電力会社を変更するのであれば、大家さんや周辺に住んでいる方との関係も気になると思います。

また、新しい電力会社と契約することになった場合、どこまで大家さんの承諾が必要なのか気になるでしょう。

その疑問点を具体的に解説していきます。

4-1.大家さんが指定の電力会社に決めていたら?

大家さんが電力会社を指定していた場合、電力自由化という法律が定められていたとしても、自分で電力会社を選ぶことができないのでしょうか?

そんなことありません。

大家さんが電力会社を指定していたとしても、低圧契約などの個別契約であれば、自由に電力会社を選ぶことができます。

4-2.メーターの交換は許可いるの?

古いメーターをスマートメーターと交換する場合、大家さんなどに許可をとる必要はありません。

スマートメーターは、電力会社の所有物であり、無料で設置しているものですので、物件管理会社や大家さんに連絡を行う必要はないのです。

そのため承諾を得ることなく、スマートメーターへの交換が行われています。当然のことながら、スマートメーターの設置が完了した場合も報告する必要はありません。

4-3.アパートでも可能なの?

もしあなたが、マンションではなくて賃貸のアパートに住んでいるのであれば、電力会社を変更できないのでしょうか?

そのことはありません。

賃貸アパートであったとしても、電力会社は変更できます。

例えば、インターネットが開通している賃貸アパートであれば、プロバイダーは、個人の自由によって選択できるでしょう。

電力も同じように、選択することが可能です。

4-4.マンションの1階の飲食店はどうなの?

マンションの1階の飲食店であったとしても電力会社を変更することができます。

電力会社を変更する際ですが、まずは、低圧契約を利用しているのか、高圧一括受電を利用しているのか調べることから始めましょう。

もし、低圧契約なのであれば、電力会社を自由に選択することができます。

5.マンションオーナーから見たデメリット

電力自由化でマンションオーナーというのは、高圧一括受電が利用できるので、たくさんの恩恵を受けることができると思った方もいるのではないでしょうか。

実は、電力自由化によってデメリットもありますので、マンションオーナー向けにご紹介していきます。

5-1.契約期間が10年

低圧契約ではなく、高圧一括受電を導入するのであれば、契約期間について具体的に理解しておく必要があるでしょう。

実際に、マンションなどで高圧一括受電を導入すると、約10年間電力会社を変更できないというようなルールが決められていることがあります。

マンションオーナーが直接お客様へ営業を行い、受付対応などをしているのであれば、高圧一括受電で契約期間に関するルールがあることを事前に口頭などで伝えておきましょう。

また、中間管理業者に仕事を依頼する場合も契約期間ついては、必ず伝えることをルールとして徹底することで、問題の発生を防ぐことができます。

5-2.各家庭の値下げは5%程度

電力自由化によって各家庭の電力が安くなることは事実です。

しかしながら、電気代が最も安くなるは、マンションの共有部分だと言われています。

共有部分は、20%~40%ほど安くなります。

これだけ共有部分が安いのであれば、専有部分も安いのではないかと思うかもしれません。

実際は5%~10%と少ししか安くなりません。

5-3.入居者との軋轢

マンションの高圧一括受電が良いという情報を安易に受け入れてしまうと、入居者によっては不必要な負担になりかねません。

電力自由化が始まったのに、自分のマンションは電力を選ぶことができないと苦情の電話をかけてくる人もいますので、入居者との軋轢がなくなるように、事前に対策を心がけておきましょう。

6.マンションオーナーから見たメリット

上記でマンションオーナーに向けて、電力自由化がどのようなデメリットを発生させるのかについて説明しました。

今度は、どのようなメリットがあるのかについて解説していきます。

6-1.共有部分の電気代が安くなる

マンションオーナーが電力会社を選び、高圧一括受電を選択するのであれば、今まで共有部分に膨大なお金をかけてきたのであれば、非常に安い電気料金に抑えることができます。

1ヶ月2ヶ月3ヶ月と期間が経過すればするほど、消費電力料金に差が出てきますので、まさに電力会社を変更するメリットだと言えます。

6-2.電気料金の見える化

マンションオーナーが新しい電力会社を選択すれば、「電気料金の見える化」を体験することができます。

マンションを上手に運営していく場合、1日の消費電力というものを把握する必要があります。

電力自由化によってスマートメーターが取り付けられたことで、自己が管理する物件の消費電力を簡単に知ることができますので、不必要な電気を削減するためにも利用していただきたいサービスだと言えるでしょう。

7.まとめ

電力自由化について分かりやすく説明してみましたが、いかがでしたでしょうか。

マンションやアパートは、高圧一括受電が採用されていれば、電力会社を自由に選択することはできません。

しかし、低圧契約なのであれば、自由に電力会社を選択することができますので、「電力自由化詐欺」に騙されないように慎重に電力業者を選びましょう。

マンションオーナーも誰かにマンションに入居してもらうことになった際は、電力の契約期間の決定事項については、具体的に説明してあげるようにしましょう。

そうすれば、マンションの共有部分に安い電力を流すことができ、住民からの苦情も最小限に抑えることができますよ。